ゆるふわ刑法ブログ

かぽーんと刑法を考えるブログです。司法試験の過去問解説とか、基本書の紹介とかやってます。たまにリアル社会のことも考えます。論の展開が粗いのと読みにくいフォントは仕様。

詐欺罪と重要事項性〜特にチケット転売行為について

こんにちは〜 本日のテーマは、詐欺罪(刑法246条)の「欺罔行為」です。約1年ぶりに刑法分野の論点です(刑法ブログだけど)。 どうでもいいんですけれど、この業界、他人の悪口を言う人(というか無駄にプライド高い人)が異常に多いので、関係者の発言は…

よくわかる社会保障制度(ウソ)

1 はじめに こんにちは〜 本日のテーマは「社会保障」です。 先日、うっかり「社会保障と保険の勉強会でもやりますか〜」みたいなノリで自主勉強会を企画してしまったために、泥沼になっている今日のこの頃。なにこの複雑さ。理論も体系もあったものじゃな…

司法警察活動と行政警察活動

◆刑事訴訟法は体系的に理解できない こんにちは~ 今回のテーマは、「司法警察活動」と「行政警察活動」についてです。あ、いえ、このタイミングでこのテーマをやるのは、別に他意とかはありませんからね。 はじめにお断りをしておきますと、刑訴法なんか体…

二次創作って違法なの?

回答:わからない。 ということで、本日のテーマは「二次創作」です。 もう結論を先出ししていますけれど、全然わかりません。なぜならば、著作権法(昭45法48)をはじめとする知的財産法領域は、特に定型的な判断が困難な領域だからです。 弁護士でもかなり…

間奏

今回「も」くだらない記事で恐縮です。 考えれば考えるほど何が正しいのかわからなくなってきますね。 ほんとこのブログの過去記事とか今振り返ると溜息しか出ない。ダメだこりゃ… もうちょっと敬愛する諸先生方がネットで(わかりやすく!楽しく!)情報を…

GPS捜査の強制処分該当性と憲法35条の基本権

※U.S. v. Jones 132 S.Ct. 945 (2012) を読んでページ最下段に追記しました(平成29年3月21日)。 こんにちは~ 今回のテーマは「GPS捜査」の最高裁判例(最大判平成29年3月15日)です。時事的なネタをメインに取り扱いたくないというのが本ブログのスタンス…

用語法の闇について

こんにちは~ 本日のテーマは、法学における「用語法」です。用語法なんか気にすれば気にするほどいくらでも問題にできるので、気にしないほうがいいのですが。 法律家はマスメディアに対して過剰にその用語法を攻撃しているのではないかと感じます。たとえ…

イデオロギーと伝統

1 「ルビンの壺」の意味するところ 最近、諸事情から抽象度が高くなってきていて恐縮ですが、本日のテーマは「イデオロギー」です。 まずは、以下の作品をご覧ください。 (Wikipedia「ルビンの壺」より引用。) 言うまでもなく、白い部分に注視すれば「壺…

法律情報のフィルタリング的な何か

本日のテーマは、混沌とした法律情報のフィルタリングの仕方です。 読者層的に、このブログで言っても仕方ないような気もするんですが。 【フィルタリング方法】①から順にフィルタリングする。 条文・判例が引用されていること 文献が引用されていること 注…

「フェイク・ニュース」と事実報道

インフルエンザが流行っているみたいなので皆様、お気を付けくださいませ…(どうでもいいですけど、「ファッションが流行」みたいな違和感が…) 本日のテーマは、「フェイク・ニュース」です。 フェイク・ニュースとは、読んで字のごとく内容虚偽の事実報道…

これからさくっとてきとうに正義論の話をしよう――市場・国家・共同体

0.イントロ 本日のテーマは「正義論」です。一時期、サンデル教授の白熱教室で話題になりました。たいそうな名前がついていますが、法哲学(あるいは倫理学や政治学)の一領域をそう呼んでいるだけです。とりあえず「正義」の定義や、何の領域の問題なのか…

演習書の採点基準を(勝手に)つくろう!

本日は、市販されている演習書における採点基準の自作について考えてみます。 自分で採点基準をつくってみると勉強の仕方が変わる……かも、といういい加減な発想に基づき、今回は、演習書の採点基準を(勝手に)つくってみます。 というわけで、粟田知穂先生…

「占い学」序説

あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いいたします。 人が並びすぎていて、おみくじを引くのは諦めました。 というわけで、今回のテーマは、「占い学」です。 えーと、はじめに言っておきますが、別に「占い」自体は、詐欺(刑法246条1項)で…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)刑法各論財産犯以外編

こんにちは~ 今回は、「財産犯以外」の事案分析についてです。昨年度版からあまり付け足すことがないのですが、一応、アップデートしました。 1 殺人罪 (1) 殺意の認定 故意(刑法38条1項)とは、構成要件該当事実の認識をいい、特に殺人罪における故意を…

具体的な事案の想像って難しいよね

はじめてミディエイターをやってみて心が折れそうになっている今日のこの頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか? 人間の感情というのはたいへん厄介なもので、自分が合理的に考えてこれがよいと思っても当事者からすると望んでいないということが多々あります…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)刑法各論財産犯編

この記事では、刑法各論の「財産犯」に関する採点実感を整理してみたいと思います。どうでもいいのですが、平成28年の採点実感から明朝体に変わったのはなぜなのでしょうか…。そして昨年に引き続きページ数を振ってくれない…(書式を揃えようとか思わない…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)刑法総論編

刑法総論における「事案分析」について、具体的に考えていきたいと思います。なお、これまでの採点実感を読む限りでは、各採点実感の間でも言ってることに矛盾があるように思われるので、あまり採点実感を神聖視・絶対視しないほうがよいでしょう。採点実感…

司法試験刑法採点実感まとめ(平成28年度版)総評

今年もやってきました、採点実感まとめです。 最初に言っておきたいのですが、刑法(刑事系科目第1問)に限らず、問題の「質」が大幅に低下しています。予備校の模試と大差ないレベルです。採点実感も、ちょっと信じがたいような記述が多いです。これも刑法…

表をつくろう!――放火罪と賄賂罪を例に

◆「表」をつくる目的 こんにちは~ 本日のテーマは「表」です。たまに教科書・基本書に表が掲載されていたりしますが、実は、その表には大きく分けて2種類あります。 ひとつは「検索のため」に使われる場合の表です。表を辞書的に活用することが想定されて…

罪数論と刑訴法(概観)

こんにちは~ 本日は、前回の余波で、「罪数論」に(つま先だけ)突入します。罪数論と刑事訴訟法とがどうつながっているのか、ほんの少しだけつっこんでみます(つま先を)。 とりあえず司法試験刑事系第1問の採点実感では罪責検討の最後に罪数を落とさな…

訴因変更と非両立で共通な何か

1 訴因関連の問題 本日のテーマは「訴因」です。正直言ってよくわからないテーマなのですが、ネタにはなるかなぁと…(てきとう)。なお、以下では「タテ」とか「ヨコ」とかいう表現が出てきますが、裁判所と審判対象との関係が「タテ」、審判対象をめぐる当…

コンメンタールじゃなくてコンメンタリー

◆◆◆ 綾子「お疲れさま」 春乃「あ~おつかれ~」 綾子「……えーと、今日なんで対話式なわけ? もしかして、ちょっと前に流行った対話式連載でもやってみたくなった? どこかの法律雑誌とか、演○ノートの一部解説とか、某ブログとかをパクるのかしら?」 春乃…

公職選挙法と選挙運動のラビリンス

こんにちは~ 本日の学習テーマは、「公職選挙法」(昭28法100)です。 公選法違反の犯罪構成要件を一覧にしてざっくり解説しようと思ったのですが、諦めました。数が多すぎたからです。しかも、体系と呼べるほどの体系がなく、何の脈絡もなく大量の規定が置…

生命倫理と死生観とついでに幽霊

◆「生命倫理」のイメージ こんにちは~ 本日のテーマは、「生命倫理」です。 「生命倫理」というと、日本人の持つイメージは、外国の方が思い浮かべるのとちょっとずれる気がします。文献を読んでいても、そのあたりについてイマイチ話がかみ合っていない気…

学生のやる気の推移

こんにちは~ 今回は、完全に余談ですかね。 本ブログのPV数、UU数その他指標(以下「アクセス数等」といいます。)をもとに、ネタ的にグラフを作ってみました。学生の「やる気」の推移とかがわかるかなぁと思ったのですが、統計的に厳密にやろうとする…

成果物の品質に関する考察

◆何が問題となっているのか こんにちは~ 本格的に夏になりましたね。外気温の変化だけでなく、クーラーのかかりすぎに気を付けるなど、体調管理を万全にして仕事や勉強に取り組んでいきましょう~ 本日のテーマは、「成果物」です。 言うまでもなく「成果物…

自己責任と社会的責任

◆「自己責任」? こんにちは~ 本日のテーマは、「責任」です。 日本人によくみられる言説として、「その人が周りに迷惑をかけたのだからその人が責任を負うべきだ」というものがあります。また、誰かが不利益を受けると「それは自己責任だからしかたない。…

イマジナリーな領域への権利に関する覚書

こんにちは~ 本日のテーマは「イマジナリーな領域への権利」です。 …え? そんな権利知らないって?? これはですね、新たに発見された「憲法上の権利」なのです!(大嘘) ◆わかるようでわからない「脱構築」 ジョークはさておき、この概念を厳密に説明し…

新論点「共謀の射程」

こんにちは~ 今回は、久しぶりに刑法のお話です(※本ブログは刑法専門のブログ)。テーマは「共謀の射程」です。 ある学生から、「共謀の射程」や「共犯の錯誤と部分的犯罪共同説の関係」を裁判官や若手弁護士に質問したところ、どちらからもまともな回答が…

知的財産戦略本部ってなんだ

こんにちは~ 本日のテーマは、「知的財産戦略本部」についてです。 「知的財産戦略本部」とは、「知的財産」(知財基2条1項参照)の創造、保護及び活用に関する施策を集中的かつ計画的に推進するため、内閣に設置された行政機関です(知財基24条)。結論か…

類型別法学教師

こんにちは~。シランやヤマブキが綺麗な季節になりましたね。今の時期は、カロライナジャスミンやムスカリといった色々な花が咲いています。なんだか、これから殺伐とした業界の話をするのは気が引けるような気がしないでもありません。 本日のテーマは、大…

ただの雑記

唐突ですが、あなたが目指している法曹って、どのような人物ですか? 理想とする法曹像は、あなたの価値観からしかわかりません。これは、もっぱらあなたの主観にかかる問題です。私にとって理想であっても、あなたにとって理想ではないということが起こり得…

遺伝情報概念と法整備のゆくえ

こんにちは~ 本日のテーマは、法的な観点から見た「遺伝情報」概念です。 諸外国では、遺伝情報によって雇用や保険などの領域で不当に差別されるのではないかとの懸念に対応して、既に立法が行われています。これらの立法を、「遺伝子特化型立法」と呼びま…

疑わしきは被告人の利益に、無罪推定、推定無罪?

こんにちは~ 本日のテーマは「無罪推定原則」です。 はじめに言っておきますが、 「推定無罪」じゃないですからね。 それは、下のスコット・トゥローの小説の名前です。映画化もされました。 推定無罪〈上〉 (文春文庫) 作者: スコットトゥロー,Scott Turow…

ドラッカーとマネジメントとその後の世界

◆「マネジメント」とは こんにちは~ 本日のテーマは「ドラッカー」です。有名ですよね。閉鎖的な我々の業界でも、司法試験予備試験の一般教養科目の論述問題の素材にされる程度には有名です。書籍としては、『マネジメント』よりも『もしドラ』のほうが有名…

「被害者なき犯罪」と道徳・社会倫理規範

◆何が問題となっているのか こんにちは~ 本日のテーマは、いわゆる「被害者なき犯罪」です。 個別具体的・直接的な被害者(法益主体)のいない風俗犯や経済犯などの犯罪類型を、「被害者なき犯罪/被害者のない犯罪」と総称することがあります。たとえば、…

なぜ官僚は無能に見えるのか?

こんにちは~ タイトルはいささか挑発的ですが、ほかに適切な見出しを思いつかなかったので、これにしてみました。テーマは、たぶん「官僚」です。 先にお断りをしておきますと、私個人は、官僚組織の中の人たちといくらか面識があったりします。彼/彼女ら…

共通到達度確認試験試行試験を解いてみた

こんにちは~ 本日は、特に内容のない記事です。ただの感想です。 先日、法科大学院で行われた第2回共通到達度確認試験の「試行試験」についてです。 で、実際に「刑法」の問題を解いてみましたよ! 結果は… 全問正解!(70点/70点) いえ、結果が悪かった…

『エクササイズ刑事訴訟法』の感想

今回は、刑事訴訟法の事例演習本である『エクササイズ刑事訴訟法』の紹介です。書いてる人は検察官で、昨年まで司法試験考査委員だったみたいです。 エクササイズ刑事訴訟法 作者: 粟田知穂 出版社/メーカー: 有斐閣 発売日: 2016/03/02 メディア: 単行本(…

日本人のための交渉術入門以前

こんにちは~ 本日のテーマは「交渉」です。ロジャー・フィッシャー&ウィリアム・ユーリー*1による『ハーバード流交渉術』(原題 "GETTING TO YES")*2などの書籍でおなじみの「交渉」です。 たとえば、オレンジをとりあう姉妹がいて、交渉の結果として、①…

「司法試験の採点実感等に関する意見(刑事系科目第1問)」のまとめ(平成20年~平成27年)刑法各論財産犯以外編

こんにちは~ 今回は、「財産犯以外」の事案分析についてです(前回は「財産犯」についてでした)。 1 殺人罪 (1) 殺意の認定 故意(刑法38条1項)とは、構成要件該当事実の認識をいい、特に殺人罪における故意を、実務上、「殺意」と呼びます。答案で殺…

たのしい類型証拠開示&主張関連証拠開示

※2016年6月12日 刑訴法平成28年改正対応作業中 0 イントロ 今回は、公判前整理手続における「証拠開示」のお話です。 以下、一行問題形式(のようなかんじ)で解説します。 【問題】 公判前整理手続において、弁護人としては、検察官に対して、どのような証…

「司法試験の採点実感等に関する意見(刑事系科目第1問)」のまとめ(平成20年~平成27年)刑法各論財産犯編

この記事では、刑法各論の財産犯に関する採点実感を整理してみたいと思います。ただ、背任罪に関しては、知識全般が書けていないものとして指摘されていますから、以下で述べることよりも、背任罪の基本事項を優先して勉強したほうがよいかと思われます。 1…

「司法試験の採点実感等に関する意見(刑事系科目第1問)」のまとめ(平成20年~平成27年)刑法総論編

刑法総論における「事案分析」について、具体的に考えていきたいと思います(→前回は総評編でした)。 1 行為論:行為を分断しすぎ or 統合しすぎ 残念ながら行為の統合と分断の問題(行為の特定の問題)に関しては、ほとんど経験の多さによるところが大き…

「司法試験の採点実感等に関する意見(刑事系科目第1問)」のまとめ(平成20年~平成27年)総評編

◆「採点実感等に関する意見」について お久しぶりです~。あけましておめでとうございます~ 今年もやってきました、司法試験のお話です。 現行の司法試験制度では「出題趣旨」とは別に「平成〇〇年司法試験の採点実感等に関する意見(××系科目第△問)」(以…

なんとなく民事訴訟法書籍紹介

ここでいったん書籍紹介です。 刑法のブログですが、今回は「民事訴訟法」の書籍の紹介です。書籍の紹介というより、学習方法のひとつの紹介というかんじかもしれません。そういう方法もあるんだー程度のものですから、軽く流してください。 個人的には、民…

「ドイツ憲法学」ってなんだ(後編)

◆主観的権利と客観法 前編に引き続き、「ドイツ憲法学」否、「ボン基本法学」が日本の憲法解釈論にどのように取り込まれているのかを考察(というか、ただの説明ですが)します。ネーミング的に「ドイツ憲法学」のほうがなんというかかっこいいので、以下で…

『刑法実践演習』の感想

ここでいったん書籍紹介です。 なかなか面白い「判例付演習書」が出てきたので、紹介してみます。 刑法実践演習 作者: 甲斐克則,内山良雄,小田直樹,小名木明宏,神例康博,北川佳世子,島岡まな,杉本一敏,十河太朗,二本?誠,日山恵美,渡邊卓也 出版社/メーカー: …

「ドイツ憲法学」ってなんだ(前編)

あらかじめ予告しておきますが、次々回は「比例原則とパレート最適」です。 「比例原則」という概念を説明するにあたって、最近のドイツ流の三段階審査論に言及してみたところ、どんどん文章量が増えてきたので、むしろこの部分を独立させておいたほうが読み…

計算書類で見る会社法―特にファイナンスについて

◆会計がよくわからない? 会社法の基本書をめくっていると、「計算」という章やら節やらと出会います。 多くの法学部生・法科大学院生は会計知識がないためか、このあたりを読まずにスルーしてしまいます。試験でもそこまで深くはつっこんで聞かれません。で…

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