因果関係と客観的帰属2

◆判例の展開 前回は、判例の立場における因果関係の問題とは、結果の発生を理由として行為により重い違法評価を肯定できるかどうかの問題であると説明しました。したがって、因果関係論においては、結果の発生による行為の危険性の確証の関係、すなわち「危険の現実化」が判断基準になります(井田・講義124頁参照。ただし…